インフルエンザとは

インフルエンザとは

インフルエンザウイルスに感染する病気です。毎年、流行期の11月下旬から3月中旬くらいまで、季節性インフルエンザが流行しますが、季節外れの流行を起こすこともあります。

また従来のインフルエンザウイルスと異なる亜型が出現すると大流行を来すこともあります。例えば2009年に世界的に大流行したインフルエンザA(H1N1)は多くの人が免疫を持っていなかったことが大流行の原因とされています。


インフルエンザの原因

季節性インフルエンザの原因

季節性インフルエンザの原因になるインフルエンザウイルスはA・B・C型があり、その中で問題となるのはA型とB型です。特に、A香港型ウイルス、Aソ連型ウイルスと、B型ウイルスの3種類が流行することが多いです。 感染経路は、くしゃみや咳、接触で感染します。

症状は、インフルエンザは通常のかぜと比較して、症状が重く、治るまでに時間がかかります。1~3日間の潜伏期間の後に発熱、頭痛、倦怠感、筋肉・関節痛、咳、鼻汁などの症状が現れます。子どもと高齢者が特にかかりやすい病気ですが、高齢者がかかると二次性肺炎を合併したり、乳児が急性脳症を合併することもあるので、ワクチン接種が重要です。


インフルエンザの検査と診断

明らかな接触歴と典型的な症状があれば、検査せずに診断可能です。 10分程度で結果がわかる迅速診断キットが使用されることもあります。 鼻腔ぬぐい液で、約80~85%前後、咽頭ぬぐい液で約60~80%前後の陽性率で、陰性と出た場合でも、インフルエンザであることもインフルエンザでないこともありえます。

特に発病後1日以内は感度が低いため、発熱してから12~24時間経過し、ウイルス量が増えた段階で検査することが大切です。発熱直後のインフルエンザ検査が陰性でも、完全にインフルエンザは否定できません。簡単にいうと鼻腔検体でも5人に1人は「ハズレ」となる検査なので、必須ではありません。


インフルエンザの治療

2歳以上の基礎疾患のない子どもで、元気であれば安静のみでも5日以内に自然軽快します。 治療する場合は薬物療法が中心となります。インフルエンザウイルスの増殖を抑えるタミフル、またはリレンザが使用されることが一般的です。近年は点滴で用いるラピアクタ、一回の吸入を行うイナビルなどの薬が存在します。

タミフルとリレンザなどはA型、B型の両方に有効性があります。タミフルは飲み薬、リレンザは吸入する薬で、両方とも48時間以内に服用しなければ効果がありません。 発病48時間以内に服用すれば、ウイルスの増殖を抑える効果があります。

インフルエンザはウイルスですから、抗生物質は無効です。 通常は2、3日でピークを迎えて、1週間くらいで治ります。 炎症が強い場合は咳だけ残ったり、のどの違和感が続いたりすることもあります。


インフルエンザの治療中の注意点

  • 安静に十分な睡眠と栄養を取り、体力をつけること。
  • 水分を十分に補ってあげることで脱水症状を予防すること。
  • 熱が下がり症状が改善しても、体の中に残っているため、周りの人にうつしてしまう可能性があること。
  • 流行を最小限に抑えるためにも、熱が下がった後も家でゆっくり休むこと。
  • 発熱した翌日から5日間で、なおかつ熱が下がってからも2日間は人と接触せず、家でゆっくりすること。
  • 症状のある方は、マスクの着用、咳エチケットを守る、外出を控え早めに受診するなど、人にうつさないように気をつけること。
  • 学校、塾、職場など、集団での感染の広がりを防ぐため、無理な登校、出勤などは厳に慎むこと。

インフルエンザの予防

予防としては、流行期の人込みを避ける、マスクをつける、手洗いなどが重要です。 インフルエンザの予防接種を受ければ、絶対にインフルエンザにかからないということではありませんが、予防接種するとインフルエンザにかかりにくくなります。インフルエンザにかかっても、ワクチン接種しなかった人と比べて、重くならずにすみ、治りが早くなります。

実際、インフルエンザの発病阻止率は高齢者の場合は34~55%、6歳未満は60%といわれています(厚生労働省 インフルエンザQ&A)。 なおインフルエンザによる高齢者の死亡阻止率は82%でした。 予防接種を受けてからインフルエンザに対して有効になるまで約2週間程度かかり、その効果は約4ヶ月前後持続します。


出席停止期間

学校保健安全法(平成24年4月2日改定)では、「インフルエンザ:発症した後5日を経過し,かつ,解熱した後2日(幼児にあっては,3日)を経過するまで」